ことばを紡ぐ

翻訳中に出逢ったことばたちについての覚え書き的なもの

「紡ぐ人」と「奏でる人」

自宅以外のPCをいじっているとき、ふと思いついて、このブログのタイトルを検索してみた。で、「なるほど~」と思わず唸ってしまった記事に遭遇。 

honeysuckle.hatenablog.jp

私はまさに「紡ぐ人」だ。このブログのタイトルも、翻訳に限らず、文章を書いている時の私の実感からつけたもの。 

ただ、「紡ぐ」ではきれいすぎるような気もする。実際には「鶴の恩返し」の鶴が自分の羽を抜いて織り込んでいくような、あるいはなくなりかけた歯磨きのチューブから無理やり歯磨きを絞り出すような、実に苦しい、修行のような作業だ。

1つの単語をめぐって、「本当にこの訳語でいいのか」「類語の○○とはどう違うのか」「原語のこのニュアンスがこの単語には含まれていないから、辞書にはこの訳語が載っているけど、これは使えない」などなど、ネットで調べて調べて調べまくって、ようやく訳語を決定するというようなプロセスが延々と続く。

このブログを書き始めたのも、文章をサラサラと「奏でる人」になりたくて、トレーニングを兼ねたブログのつもりだったのに、やはりというかなんというか、書きかけで下書きのまま保存された記事だけが増えていき、いつの間にか開くことすらなくなっていた。

紡ぐタイプでも奏でるタイプでも、「どっちが正しいというのではありません」と言ってくれるこの記事に出会ったのも何かの暗示かな、と思い、また書き始めたのがこの記事。それでも、書き始めてから2週間以上経ってしまった。

このブロガーさん、「紡ぐタイプの人が思いつきでサササッとブログを書いてみたらどんなふうになるのかもちょっと興味あるなぁ」とも書いているけど、いや、紡ぐタイプには「思いつきでサササッと」なんて、絶対無理ですって!